牛乳はカラダに良くない?!小さい頃から、「牛乳を飲むと背が伸びる」とか「カルシウムが摂れるからしっかり飲みなさい」とか、給食でも毎日の飲み物は牛乳だった。そういうのを根底から覆す牛乳有害説。さて、あなたはどう思う?
「牛乳ほど消化に悪いものはない」
「人間が食物とするにはふさわしくない」
「牛乳を飲んでいる人の腸の中は汚れている。牛乳を飲まない人の腸はきれい」
などなど、牛乳有害説が浮上した。130万部を売ったベストセラー「病気にならない生き方」に書かれていることだが、日本酪農乳業協会が、その著者は医師でもあるが、著者に対して科学的根拠の説明を要望し、さらに実際に著者の仮説が間違いであると指摘。世界基準の根拠データを示して反論した。
なんだか、こないだの「あるある大辞典」の捏造問題が頭をよぎる。「科学的根拠のある情報発信」が最近強く求められている。この医師の牛乳有害説が広まって以来、牛乳の消費はどんどん落ちていき、過去19年間牛乳を全く飲まない人の割合は10%前後だったのが、昨年はそれが急に13.7%に跳ね上がったという。消費されなければ、大量廃棄されるしかないという、食品の悲しい運命ではあるが、酪農業界への打撃はかなりのものだろう。
この医師の持つ根拠はどんなものかは分からないが、情報の真新しさ、というか常識を覆すような話題で人を引き付け、大きな影響を及ぼした。嘘なのかホントなのか分からないまま、僕ら消費者は翻弄されるばかり。この本を読んで、長年牛乳を飲み続けていた人が、牛乳を飲むのをやめて、腸内洗浄健康法を始めたという例もあるらしい。
いったいどこの、誰の情報を信じればいいのだろう。というか、そもそもそういう考えが間違っているのかも、とも思う。多くの人が、健康に対して神経質になりすぎているのかも。皆にとっていいものが、自分にとっても当然ながらいいというものというわけでもない。化粧品も同じこと。一人ひとりの体や肌は違ってて、その人に合ったものを自分で見つけなければいけない。それに、いい食べ物でも偏って食べてしまうと、バランスが崩れてしまう。
結局のところ、この牛乳有害説、この医師から「なぜ牛乳が体に悪いのか」に答えられる根拠は示されていないという。
この業界にいると、TVで放送されている「健康とダイエット」についての放送が過剰なことと、時に解釈の過ちを招く表現があることに気付く。「あるある」の捏造問題もしかりだけど、TVだけではなく、いろいろなところで起きていると思う。今の時代、正しい情報を見極めるのって難しい。
業界の知人から聞いた話だが、彼の知り合いの医師にTV番組が取材の申し込みにきて、その医師にコメントを求めたのだが、放送前の編集された番組は、一切見せられないが、番組内のコメント内容は、その医師が全責任を負うという誓約書を持ってきたらしい。
もちろんTVは編集によって、前後につなげる内容で挿入されるコメントの意味合いは変わってきてしまう。極端な話、もし、その医師の「はい、そのとおりです。」というコメントだけがどこの部分かに挿入されれば、その前の内容を肯定してしまう。おおげさかもしれないが、こういうことが実際にある得るのだ。
もちろんその医師はTVの取材を断った。
ヒト臨床試験を短期間で行うのは難しい。本当に特定の成分がどのような働きをするのかを証明するのには時間がかかる。納豆など普通の食材で、目に見える変化が出たとしても、それをその食材の効果だとは言えないことはある程度の知識があれば分かる。「あるある」のケースは完全に違った内容のコメントを捏造していたのだから話にならないが。
TVでも雑誌でも言えることだが、どちらも放送時間や紙面を埋めなければならない。しかも視聴者や読み手が興味を示してくれなければならない。今の情報化社会の中で、新鮮な情報というのはなかなか手に入らないのかもしれない。今の世の中、美容業界でもそんなに真新しい商品がないのと同じかもしれない。宣伝力と、いかに着色して伝えるかで、セールスが決まってしまう事実。
僕らも、踊らされないよう、賢くならないと!
